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Daisuke Bundo

Daisuke Bundo

分藤大翼
アフリカの熱帯雨林でBaka族の調査研究と記録映画の制作をおこなっています。
長野県松本市在住。

 

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「フォークのさじ」 沖縄県那覇市

『うたう食堂』
沖縄県那覇市〈首里〉駅

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なんだか帰りたくなってきた。モノレールの車窓から見下ろす街には、ところどころ勢いよく草木が生い茂っていた。強い日射しを受けて輝く緑には、日本の他の地域では見られない鮮やかさがあった。沖縄の亜熱帯性の気候が生み出す光景を眺めながら、僕は長年通い続けているアフリカの熱帯林のことを思い出していた。妙なことに、初めて訪れた沖縄を前に、僕はアフリカへの郷愁に駆られていた。


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「フォークのさじ」 愛媛県喜多郡

『しなのある白壁』
愛媛県喜多郡〈内子〉駅

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墨色の壁に白の格子模様。近づいてみると、格子縞は漆喰(しっくい)を盛り付けて造られている。こんもりとした白い漆喰は鏝(こて)で塗られるとき海鼠(なまこ)の形に似ていることから、このような壁は「海鼠壁」と呼ばれている。お食事処『りんすけ』の垣根の塀は、下から海鼠壁、白壁、瓦と積み上がっている。そして、その白壁の一角には「美しい景観建造物デザイン賞」と彫られたプレートが付けられている。町並みの保存・再生を促進している内子(うちこ)町から平成元年に与えられたものだ。


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「フォークのさじ」 栃木県日光市

『あつあつの胸板』
栃木県日光市

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同じものが食べてみたくなった。僕が腰掛けた席には、さっきまでプロスポーツの選手が座っていたという。『和豚・もちぶた・豚トロ石焼きビビンバ』。その人が食べていたというので、ひとつ注文してみることにした。店内を見回すと、一番広い壁には額に入った色紙が何枚も飾られている。なかでも目を引くのがアイスホッケーのプロチーム『日光アイスバックス』のサイン色紙である。その他にも有名選手が使っていたスティックや応援用のメガホン、募金箱まで置かれている。このお店がそうとう“入れあげている”ことが分かる。

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「フォークのさじ」 富山県魚津市

『まっすぐな下駄の音』
富山県魚津市〈魚津〉駅

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カランコン、カランコン。「これは今日あがったものなんですよ」。運ばれてきた甘エビはとても瑞々しく頭の先から尻尾まで朱色に輝いていた。御主人は一匹ずつ丁寧に揃えながら「身が全然違うんですよ、日本海で獲れるものは」と話してくれた。そして、白エビ。富山湾の特産で、生きている時は無色透明、その美しさから宝石にも喩えられるエビである。天麩羅になる前に見てみたいという願いを御主人は快くかなえてくれた。

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「フォークのさじ」 長崎県島原市

『そのままの湧き水』
長崎県島原市〈島鉄本社前〉駅

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ひらひらした桜色の紙の上に、ぽんぽんと文字が並んでいる。判で押された文字は、少しかすれたり、にじんだり、ゆがんだりしている。紙の真ん中には切り取り線。『銀座食堂』には戸口を入ってまっすぐ行ったところに“食券売場”がある。「うちはむかしのまんまです」という御主人は、手作りの棚から食券を取り出して手渡してくれた。

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「フォークのさじ」 北海道白老郡

『うるわしい音色』
北海道白老郡白老町〈萩野〉駅

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 すっと手が消える。ゆっくりと腕を沈めると、白い手のひらが褐色の湯の中に見えなくなる。黒々とゆらめく温泉は、見た目ほどクセはなく、するりと肌にそって体を暖めてくれる。それでも、底の見えない湯船からは何か出てきそうな気がして、初めはどうも落ち着かなかった。なじむにつれて、その夜に聞くことのできたアイヌ音楽の音色や歌声が甦った。そして、静かな祈りの儀式、薪から立ち上る煙の匂い。

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「フォークのさじ」 兵庫県神戸市

『つややかな指先』
兵庫県神戸市〈新開地〉駅

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無数の鋼球がはじけ、ひしめきあう音。たたみかけるような電子音。轟音の隙間から漏れ聞こえる切なげな歌声。改札を抜け地上に出る際に通り過ぎるパチンコ店のあたりは、煙草の匂いのせいか空気が少し澱んでいるように感じられる。構内を抜けて本通りに出ると居並ぶ商店の中に立呑処がぽつぽつとある。そして、どことなく気楽な風体の人たちが歩いている。

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「フォークのさじ」 秋田県男鹿市

『なだらかなまごころ』
秋田県男鹿市〈男鹿〉駅

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 白い袋に入れられて引きずり回された。「この辺の者はみんなそうですね」。御主人の笑顔には怖かった思い出が浮かんで少しシワが寄った。今でも幼いころの経験が生々しく甦るという。「ウォーッ」と低い唸り声がとどろき、ズシッズシッと足音がひびく。大きな面を着け、藁の衣装をまとった男たちが「泣く子はいねが、怠け者はいねがー」と叫びながら現れ、ものすごい勢いで家中を探し回る。大晦日の夜、子どもたちはどこに隠れていても必ず見つかってしまうという。東北地方には広く似通った風習があるものの、秋田県男鹿市のナマハゲほどしっかりと受け継がれているものは稀だという。ナマハゲという呼び名は、囲炉裏のそばに長居する(怠けている)とできる「火だこ(ナモミ)」を「ハギとる」ことから来ているという。

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「フォークのさじ」 はじめに

2006年12月27日から2007年12月27日までの、ちょうど1年間、全国の12の都道府県を訪れ、記事を書きました。

記事は全日空(ANA)の機内誌『翼の王国』の2007年4月号から2008年3月号に毎月掲載されました。

連載のタイトルは「ピグミー研究者・ブンドウくんの駅前食堂図鑑」というものでした。図鑑とよぶにはほど遠いものでしたが、駅前食堂を中心とした「人と食」をめぐるレポートを書きました。

取材地の選択に始まって、旅行の手配、食堂探し、取材と撮影、執筆を一人でこなす過程は苦楽に満ちていました。

一年間で辞めさせていただくにあたっては、「もったいない」という声もありましたが、当時の僕には、それが限度でした。あまりに充実した経験だったからでしょう。振り返ってみて「よく頑張った」と思いますし、今もう一度できるかというと、もうできないように思えます。

貴重な機会を与えてくださった編集部の方々と、取材先の方々に感謝しつつ、『翼の王国』に掲載された記事や取材時に撮った写真、思い出すことなどを、このブログ上で紹介してゆきたいと思います。

『翼の王国』の紙面には、僕の文章にあわせて時川真一さんによるイラストが入っていました。イラストのおかげで成り立っていたような紙面なのですが、このブログでは、僕が撮った写真を織り交ぜてゆきます。

先月の中旬、取材先の食堂の方々に御挨拶をかねて再掲のお願いをさせていただきました。

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了承のお返事をいただいた方々の記事を、これから随時掲載してゆきます。

タイトルは連載の開始時に僕から編集部に提案させていただいた「フォークのさじ」とさせていただきます。(たしかに分かりにくいとは思うのですが、けっこう気に入っているので..)

連載は次のような前口上から始まりました。

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